イタリア好きなら外せない!スーパータスカンとは!?

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イタリアワインというと、どういったイメージを持っているでしょうか。高級ワインといえばバローロ、バルバレスコ。

さらに、フランチャコルタやブルネロ、キャンティクラシコなど、土着品種から生まれるワインをイメージするかもしれません。

しかし、イタリアにはスーパータスカンと呼ばれる特殊なワインカテゴリが存在しており、今もなお人気を博し続ける高級ワインとして知られています。

ここでは、このワインについて解説していきましょう。

イタリアのワイン法について

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スーパータスカンとは、簡単にいえば、スーパートスカーナと呼ばれるワインカテゴリのことです。

トスカーナ州は、イタリアの中部に位置するワイン産地であり、キャンティ、キャンティクラシコと呼ばれる有名産地が世界的に有名です。

イタリアに限らず、ワイン生産国にはワイン法が存在しており、それに則した上でワインを造ることが定められています。

例えば、イタリアワインとして品質保証、原産地呼称として保証されているものに「DOCG」、「DOC」、「IGT」、「Vino」といったランクが存在しています。

DOCGを名乗るため、DOCを名乗るためには、定められた品種や製造方法などを守る必要があり、これに該当しない場合、「Vino」…つまり、イタリアのトスカーナ産のワインですよ…といった最も低階級での取扱いになってしまうのです。

スーパータスカンとは?

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さて、このトスカーナでDOCGなどのカテゴリの赤ワインを名乗る際、サンジョヴェーゼ、カナイオーロなど、土着品種のみからワインを造られなければなりません。

そんな中、トスカーナにはボルゲリといった産地が存在しており、そこではカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローから造られるワインが存在しています。

この産地はボルドーに似ている土壌環境、気候環境だったことから、古くボルドーからカベルネ・ソーヴィニヨンを植えた生産者が存在していました。

そして品評会に出すと一気にその美味しさが人気を博し、手に入れることが難しい高級ワインとして世界に広まることになったのです。

しかし、上記でお伝えしたようにトスカーナにおけるワイン法には合致しないため、高額かつ高い品質ながら、「Vino」ランクで販売され続けられてきた、希有なワインとして話題となったのです。

「DOC」へ

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このねじれ現象に違和感を覚えた生産者などは、イタリア政府に強く働きかけます。

さまざまな角度からの検証、またあまりにも人気が高いといった理由などから、結果的に1994年「ボルゲリ・サッシカイア」といった名で、「DOC」に認められることになったのです。

これは、イタリアのほかの産地にとっても衝撃であり、異例中の異例として今もなお語り継がれている、ある意味でのイタリアワイン最大級の事件といっても過言ではないでしょう。

まさに、スーパートスカーナといった名を欲しいままにしているのが、このスーパータスカンと呼ばれるワインたちなのです。

スーパータスカンの特徴は?

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スーパータスカンの特徴は、イタリアの土着品種を使用したボルドーブレンドのワインであるところです。

もちろん、ヴィンテージによってはカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローのみから造られることもあるなど、伝統的な土着品種を重んじるイタリアワイン業界にとってみては、かなり特殊な存在です。

特徴はフランスよりも緊張感がなく、よりわかりやすい味わいに仕上げられているところ。

それでいて、イタリアらしい繊細さとユニークさ、個性的な仕上がりとなっているところが評価されています。

ちなみに、スーパータスカンはサンジョヴェーゼをブレンドすることも多く、他国にはない味わいのものが仕上がります。

イタリアワインファンであれば、一度は飲んでおきたい名作ワインといえるでしょう。