ブドウ本来の味わいを表現はトレンド?人的介入は必然!

ブドウの味わい1

ブドウ本来の味わいを表現したい。そんなワイン生産者が増えています。

ワインは原料がブドウのみであり、ブドウの品質がワインの品質に直結すると考えられているお酒です。

誰もが信じてやまないポイントですが、一部これはトレンドの考え方と異を唱える人もいます。

ブドウ本来の味わいを表現したワインは、本当に素晴らしいのか考えていきましょう。

ブドウの味わい2

ブドウだけだからこそ人的介入

ブドウのみが原料となっているワイン。

そのため、ワインボトルの裏面の原材料にはブドウと亜硫酸塩程度しか記載されていません。

水も加えないですし、本格的なワインであれば添加物などもってのほか、純粋にブドウだけからつくられているお酒です。

まさに神の恵みといった印象を与えるワインですが、安全な飲料として市場で販売するためには、それ相応の人的介入が必要でしょう。

ブドウの状態が健全であることは第一ですが、100%一粒も不健全なブドウではないといったケースは稀です。

とくにナチュラルなワインであれば間違いなく厳しい品質のブドウは使用されており、亜硫酸だけでなく健全な発酵を促す醸造における添加物は多く使用しなければならないのです。

実際、ワインづくりにはかなりの量の添加物が認められていますし、それはワインに影響を与えないと考えられているため記載義務もないでしょう。

本当にブドウのみで発酵・熟成させ、安心して飲める健全なワインは本当にごくわずかです。

ブドウの味わい3

ブドウ本来の味わいはトレンド?

ブドウ本来の味わいをダイレクトに味わえる、そんなワインが増えています。

どこまで本当かわかりませんが、これをトレンド見る向きもあります。

トレンドどころかワインの基本だと考える方もいますが、ナチュールワインの台頭により、こういった混じりっ気なしといった文言が注目されるようになったと考える向きもあるでしょう。

あなたが美味しいと思う味わいに調整済みと記載されたワインは、ワイン愛好家が選ぶとは思えません。

なんとなく自然の恵みと捉えられているワインだけに、ブドウ本来の味わいを表現したといったワインづくりは相性が良いわけです。

しかし、上記でお伝えしたようにブドウ本来の味わいを表現したワインは、おそらく製造上存在しないと言っても過言ではないでしょう。

ワイン醸造は放置とは違いますし、本当に手を加えずに放置していたら健全な発酵、マロラティック発酵もおこらず、さらにはオフフレイバーのみで果実味は失われます。徹底的に研究され尽くされ、24時間張り付きであれば別ですが、商売にならないでしょう。

ブドウの味わい4

ブドウが主役

ブドウ本来の味わいを表現したワインがダメなわけではありません。

むしろ、ワインファンとしては大歓迎ですし、そんなワインであれば毎日浴びるように飲みたいと思います。

しかし、実際に醸造という過程で人的介入は避けられず、できる限り健全で、“販売できるクオリティ”に仕上げなければなりません。

そもそも、ワインの主役ブドウです。ブドウはたしかに化学肥料なし、完全オーガニックな栽培で収穫可能です。

そのため、ワインは醸造もシンプルでほぼ人が何もしていないといった理想が求められるのでしょう。

もっとも苦労しているのは、おそらくワインメーカーたちです

。何もしていない、手を加えない、そんなことをワインメーカーに求めるのは酷ではないでしょうか。

しかし、トレンドとして“ブドウ本来の味わいを表現”と伝えるしかありませんし、全く人的介入をしていないワインは危険な味わいです。

そのあたり、いちワイン飲みとして考えてみても良いのではないでしょうか。