日本で甘口ワインは流行らない?その理由を考える!

歴史があり、さらに高貴で素晴らしい味わいを持つのが甘口ワインです。
多くのワイン関係者は日本でも甘口ワインを広めようと努力し続けてきましたが、まだまだ広く浸透しているとはいえない状況です。
ドイツの代表的白ワイン「マドンナ」が日本で流行ったことで甘口ワインも人気を博すかと思いきや、やはりどうしても辛口ワインこそが本格ワインといったイメージがあります。
日本で甘口ワインが人気を博すことがあるのか、その可能性について考えましょう。

甘口ワインへのイメージ
甘口ワインと聞いて、多くの方は甘ったるいブドウ味のお酒と考えるかもしれません。
ワインをしっかりと基礎から勉強されてきた方であれば別ですが、なんとなくワインを知っている、普段そこまでワインは飲まないが本格的なものは何度も飲んでいる、そんな方は甘口ワインにあまり良いイメージを持っていないかもしれません。
日本ではお酒に限らず、甘い飲み物はその飲み物に慣れていない初心者や味にこだわらない人、子どもの味覚を持ってる人といったイメージが強いようです。
本格的なワインを用意したと伝えた際、甘口ワインを持ち込まれたら、“わかっていない”と思われてしまう可能性もあるでしょう。
ロゼワインは本格辛口で魅力的と伝え続けても、ロゼは甘口と思われているように、なかなか甘口といったイメージから脱却できないのが日本のようです。

甘口ワインは高級ワイン
甘口ワインの多くは、一般的な辛口ワインよりも高額に設定されているケースが少なくありません。
日本の場合、ワインに砂糖を入れて甘くした、ぶどうジュースをたっぷりと入れて甘くしたジュースのようなお酒といったイメージが強い甘口ワイン。
実際には、原料ブドウを乾燥させたり凍結させたり、あえて菌を繁殖させてレーズンのように甘くしたり、手間隙かけてつくられています。
その上、原料となるブドウ自体の量は通常のワインの数倍にも及ぶことから、つくろうと思っても結果的に減量が相当高額になってしまうわけです。
その上、醸造にも時間がかかりますし、甘さは砂糖を入れているわけではなくぶどうの甘みをそのまま残しているため、完全に天然甘口ワインです。
ドイツでは、ブドウの糖度によって格付けが存在するほどで、カビネット、シュペートレーゼ、アウスレーゼ、ベーレンアウスレーゼ、アイスワイン、貴腐ワインといったかたちで格付けされています。
ドイツの貴腐ワインはトロッケンベーレンアウスレーゼと呼ばれており、じつは世界で最も高額な白ワイとして扱われることも珍しくありません。
それだけ高級品なのに、イメージが悪い、ここはどう解決していくべき問題か考えなければならないでしょう。

純米大吟醸を考える
日本酒は一時期と比較して厳しい時代を迎えていますが、純米大吟醸ブームにより一時期多くの初心者が日本酒の魅力に気がつき話題となりました。
メロンのような香りと風味、口当たりはまろやかながら酸味も残った飲みやすい味わいは女性をメインに多くの日本酒ファンを魅了しました。
しかし、時が経つと甘ったるい、料理に合わない、合わせやすい本醸造こそ至高、そんな考え方が広まりブームは以前より去ったと言えるでしょう。
これら純米大吟醸は、言うなれば高貴な甘口ワインに近しい個性を持っており、日本人の口には合うかもしれません。
しかし、食事と合わせるといったイメージを持つ日本のお酒、甘いを受け入れられない方は多いのです。
気軽に楽しめるとしても日本人に馴染むのか。まだまだ、苦難は続きそうです。

