上質なワインこそナチュールなワイン?その定義が変わるかも!

上質なワインの定義とはなんなのでしょうか。
もちろん、世界の名だたる生産者が醸すワインは上質なワインとみなされますが、まだまだ世界的にはナチュラルなつくりのワインが上質、“本物のワイン”としてみなされている傾向です。
ナチュールワインが悪きものではないものの、人気が過熱しておりそれを冠したイベントは大成功となっています。
しかし、これから大きくその定義に変化が訪れる可能性があります。
その理由について考えていきましょう。

ハイレベルな知識を求める愛好家たち
今、ワイン愛好家たちに変化が起きていると言われています。
ワイン愛好家というと、どれだけワインを飲んだか、どれだけレアな銘柄を手に入れられたか、ワインセラーにどれだけお宝を眠らせているかといったイメージを持つかもしれません。
事実、伝統的なワイン愛好家にはそういった方々も多いことでしょう。
しかし、まだ若く精力的なワイン愛好家たちの多くは、ワインをいたずらに集めたり有名銘柄を漁り、ワイン評論家お墨付きのワインを飲むだけでは満足できなくなってきていると言います。
要するに、プロフェッショナルレベルでのワイン知識が欲しいと考えているのです。
この状況が上質なワインの定義にどう関係しているのか、下記のセグメントで詳しく解説しましょう。

知識から生み出されたワインを知ることに
WSETをはじめ、世界的にワインをプロレベルで学べるような資格試験が増加傾向です。
日本でもこれらに挑戦するワイン愛好家たちが増えており、より高いレベルでワインを楽しみたいと考える傾向がトレンドになっています。
ワイン資格というと、〇〇地方のDOCはどれだといった問題が多いイメージですが、世界の愛好家たちはもう少しワインを科学的に知りたいと考えているようです。
香りの成分やその香りがどのように変化していくのか、全て科学的な知見に基づいた理論的なワインの楽しみ方を欲しています。
この傾向がトレンドになっていくことで、そのワインがどれだけ知識に基づいてつくられているかが評価のポイントになってくる可能性があるでしょう。
ワインに詳しい方であれば気がついているかもしれませんが、その土地のテロワールを表現するためには人間が何もせずにブドウにお任せといったつくり方では不可能です。
どれだけ知識に基づき管理できるか、ブドウのポテンシャルをいかす醸造テクニックなど、ナチュールの名のもとにいたずらにつくられたワインは淘汰される可能性が出てきているのです。

時代の変化が近い?
地球環境に優しく、サステナブルな栽培、テロワールを表現、体に優しい、そんなところからナチュラル系のワインこそ上質な本当のワインといったイメージとなっています。
しかし、世界の愛好家たちが科学的な知識を身につけてワインを対峙した場合、“知識なき想い”だけでつくられたワインは淘汰されていく可能性が高いです。
どれだけ人がかかわらずにつくられているワインなのか、そこばかりがフューチャーされるワインづくりの時代は変わるかもしれません。
その土地についてどれだけの知識を持ち、科学的な知見から健全なブドウを栽培でき、そのポテンシャルをいかした技術や設備がどれだけ投入できているか、そこが判断基準になっていくでしょう。
自然とうキーワードをファッション的に楽しんでいた方は、怒ることはなく、別のキーワードを求め去っていくかもしれません。
上質なワインの定義、どのタイミングで変化が訪れるのか注意深く追っていきましょう。

