ナチュラルなつくりのワインをブームで終わらせない方法は?

ナチュラルなつくりのワインが人気を博して、数年が経過しました。
ワイン好きの中には否定的な意見を出す方もいる中で、今もなお人気を獲得するジャンルとして高く注目されているジャンルへと成長しています。
さて、そんなナチュラルなつくりのワインについて善し悪しを考えるというよりも、つくりの観点からどういったアプローチが今度必要になるのか考えてみました。
ナチュラルなつくりのワインが、全く新しいジャンルとして残るためには、どうすべきなのでしょうか。

同じワインのくくりにするべきか?
ナチュラルなつくりのワインは、オーガニックワインやナチュール、ナチュラルワインなどさまざまなケースで呼ばれています。
細かな定義は存在しますが、ひとまず農薬を一切使わない自然な栽培方法でつくられたブドウを原料に、人的介入をほとんどせずにつくられたワインと定義しておきましょう。
ワイン愛好家、業界の人間、生産者側からもナチュラルなつくりのワインが否定されることがありますが、オフフレイバーなどの欠陥臭などではなく、おそらく同じワインとして並べて良いのかといった部分だと考えます。
例えば、ナチュラルなつくりのワインは品種特有と言われる香りがなく、どちらかといえば禁欲的でピュアな酒質です。
美味しい、美味しくないというよりは、一般的なワインとは大きく違うお酒になっており、それを一緒くたにされた上で評価されることが嫌なのでしょう。
ナチュラルなつくりのワインは、一般的なワインとは違う。
ここをベースに考えていく必要があります。

ブームで終わらせないためには?
ナチュラルなつくりのワインは、熱狂的なファンたちによって支えられている部分があります。
ワイン業界の人間も流行りだからといったことで特集を組むなどしますが、明らかなブームとして捉えられていることがわかるでしょう。
しかし、そのピュアな味わい、さらに生産者側の哲学やストーリーなど人を惹きつける魅力は確実にあるため、今もなおナチュラルなつくりのワインは人気を博しています。
しかし、だからといってこのまま何も対策をせずにブームにすがっていれば、何必ず売り場は縮小し続けていくでしょう。
ナチュラルなつくりのワインをブームで終わらせないためには、大胆な発想ですが上記でお伝えしたように、一般的なワインとはカテゴリを完全に分けて扱う必要があるかもしれません。

ナチュラルなワインはナチュラルワインというお酒
例えば、ナチュラルワインはブドウ品種の特性をあまり感じませません。
ほのかには感じますが、プロがブラインドでテイスティングしても、ほぼ特徴を掴むことができないでしょう。
また、要素が少ないため繊細さが際立ちますが、一方で一般的なワインのような複雑性やパワーもありません。
アルコール度数も低く、タンニンもほとんど感じさせない。ピュアで美しいというか、物足りないというか、そういったワインがナチュラルワインの魅力です。
しかし、品種特性が出ないのであれば、品種にこだわる必要があるのか、味わいも似たようなものになるなら、どこで差をつけるのか。
とりあえず難しいことは抜きにして、ナチュラルワインというカテゴリで、ただその味を楽しむお酒として存在させるほかありません。
一般的なワインのように産地などによる違いも出しにくく、資格試験としても出しにくい。同じくくりにすれば、当然ですが一般的なワインとの比較となり、分断してしまうのがオチです。
ナチュラルワインと一般的なワインは、完全に分けて扱う。この方法こそ、ナチュラルワインが生き残る術なのではないでしょうか。

