ワインコラム 欧州産ワインが安くなる!?

ワイン会 EPA

ワイン会,ワインパーティーとは直接は関係ありませんが、今回は少し難しいワインと関税についてのコラムです。難しかったら一番下の結論だけ読んで下さい(^^;

ニュース速報にワインの事が

ワイン会の主催者として、非常に興味深い記事が、12月9日の朝刊各紙に掲載されました。「日欧EPA交渉妥結」というものです。実は前日の夜に、ニュース速報のテロップがテレビに流れ「欧州のワインの関税が撤廃」というものが報じられていました。ワイン会の主催者としては目を引くもであります。

何故ワインと報じられたのか、という事は置いといて、このニュースを受けて、私も含めて多くの方が一番気になるのは、どれだけ安くなるのか、という点だと思います。そこで今回はワインの関税について調べてみました。

日欧EPAとは?

日欧EPA(EPA:Economic Partnership Agreement)とは、日本と欧州連合(EU)間における、経済活動の自由化に向けて交渉中の経済連携協定の構想の事であります。馴染みのある言葉(?)で言うと、TPP(Trans-Pacific Partnership 環太平洋パートナーシップ)のヨーロッパ版のようなものです。

実は2017年の7月に、安倍首相とEUのお偉方が記者会見を開き、交渉が大枠合意に至った事が表明されていました。今回は妥結という事なので、正式にまとまったという事になります。その時の様子です。

ワイン会 EPA

お三方の満面の笑み。それだけ双方にとって嬉しい事なんですね。

EPAが発効されると

上記の通り、何故ニュース速報にワインと出たかというと、欧州産ワインやチーズ等に対する、日本の関税が焦点となっていたようです。結果としては、EUから日本へ輸入するワインへの関税は、EPAが発効されれば即時撤廃となります。逆に日本からの輸出は乗用車、こちらの関税は8年目に撤廃されるそうです。

因みにそれ以外の主な品目としては、日本からEUへの輸出は、テレビや自動車部品など。EUから日本への輸入は、パスタ、チョコレート、衣料品など。最終的にこれらの関税が撤廃されると、生活に直結するものが安く買える事になりそうですね。ありがたい事ですね。

ワインは安くなる?

ワイン会の主催者としては、ワインが安くなるかどうか。ワインが安くなれば、ワインパーティーで今までより良いワインを提供できるかも、という期待を持っていました。

今現在欧州産のワインにかかる関税は以下の何れかの安い方となります。

・1リットルあたり125円

・1リットルあたり15%

因みに125円を一般的なフルボトルのサイズ750ミリリットルに換算すると、約93円となります。という事は、最大でも93円しか安くならない、という事になります。1万円のワインでも1000円のワインでも、下げ幅は同じ93円です。

うーん。少し残念な結果となりましたが、低価格帯のワインについてはそれなりに影響が大きいのではないでしょうか。

1万円のワインが9907円になっても殆ど影響はありませんが、600円のワインが507円になれば値下げ率はかなりのものです。ワイン会でも提供する事のある1000円位のワインを見ても、それなりの割引率にはなります。

結果としては、値下げは限定的だが、少し安くなる、という感じでしょうか。

因みにワインのお供であるチーズについては、最大で29.8%の関税が掛かっています。

ワイン会 チーズ

こちらは国内の酪農への配慮で一部の制限は残りますが、16年目に撤廃されるようです。EPAの発効によって、ワイン人口が増えると嬉しいです限り。

なお、現状でEPAの発効は、2019年中を目指すとされていますので、首を長くしながら待つ事にします。