ワイン文化の醸成はある?ワインブームの仕掛け方は難しい!

ワイン文化を醸成させたいということで、ワイン関係者は数十年前からあの手この手でワインを売り込み続けています。
昔と比べればワインもだいぶ日本人にとって身近な飲み物になり、お酒好きであれば、“たまにはワインを飲むか”といったかたちでナチュラルに手を出せるようになってきました。
しかし、一方でまだまだワイン文化が醸成されていないといった有識者もいるようで、一体どんな手法が優れているのか、いまだ答えが見つかりません。
今までに行われている手法から、今後ワイン文化が醸成するか考えていきましょう。
ワンコインで買えるワイン
ワンコイン、つまり500円支払えば振るボトルが一本購入できるといったアプローチは、多くの方にワインを飲ませる機会となりました。
近年、かなり落ち着きを見せてきた動物ラベルワインですが、物価高とはいえ550円以下で購入できるものもあり、かなり気軽にワインが楽しめる時代になってきていることは間違いありません。
一方、このような“安価はハイコスパワイン”が増えていくと、1,000円以上はもちろん、中価格帯や高価格帯ワインに手を出す方がいなくなるといった懸念もあるようで、ワインは安く飲むお酒といった認識になってしまわないかといった懸念もあるようです。
100円で高アルコールRTDが手に入ってしまう日本において、安い酒を日々飲んでもらう分には良いですが、なかなか難しいところかもしれません。
日本ワインでワインを身近に
ワインブームを作るためには、身近なところでワインが楽しめる、また自国でワインがつくられておりそれを応援するといった土壌も必要です。
10年以上前に日本国内でつくられていたワインは、ほとんどが、“お土産ワイン”といった評価であり、さらに山梨県と一部の大手ワイナリーがワイン産地として認識されていた程度でした。
しかし近年、日本ワインブームを経た後に日本全国にワイナリーが勃発するようになり、一部の夢ある新規就農者などにより耕作放棄地がブドウ畑として開墾されていくようになってきています。
有名ホテルでも日本のワインを特集したりワインツーリズムに力を入れるワイナリーが増えたり、カルト的な人気を博すワイナリーが出てくるなど、10年前とは別の景色が広がるようになりました。
一方、生産本数がどうしても少ないことや価格がどうしても高額になること、そもそも輸入ワインと比較してコスパが悪いといったデメリットはまだ払拭できておらず、その間にクラフトビールブームやウイスキーブームなどが起こり、若い方などはそちらに流れてしまいマニアの回遊として存続しているだけの状態です。
余市などは海外からも生産者がやってきて盛り上がっていますが、それを世界に売り込まれれば日本人にワイン文化が根付いているわけではありません。
大人のデート
ワインが日本人の生活に定着するためには、下世話な話かもしれませんが、“ワインが消費されるシチュエーション”を多く作る必要があります。
以前、とあるメーカーの方と話をしている際に、久々に出会った男同士でワインを飲もうとはならないといった話が出ました。
結局、男女が大人のデートを楽しむといったシチュエーションがより広まらない限り、ディナコースやワインありきの食事デートなどが盛り上がらずに消費量が高まらないとった声もあります。
近年、とくに普通とは言えない男女の恋愛が厳しく糾弾される時代になってきているため、一部のワインバーなども厳しいといった話を聞きます。
もちろん、常識外れの行動は問題ですが、男が良いワインを女性に振る舞うといった構図が減っていくと、ワインが当たり前の日常がどんどん遠くなっていくのかもしれません。