ワインは環境配慮と相性が良い?今後はどうなるか?

自然環境に配慮したワイン、そんなワインが多く登場しています。
売れれば良い、そんなことを背景にワインが大量生産されている部分もありますが、海外では小規模生産者だけでなく中規模、さらに大規模なワイナリーがそれら環境に配慮した取り組みを実施しているなど、飲み手側もその取り組みをある程度理解しておく必要があるかもしれません。
ワインと環境は難しいテーマですが、これからもトレンドのトピックとなりそうなので簡単にまとめておきましょう。
ワインと環境は相性が良い?
どのワインが美味しい、美味しくない、そういった基準だけでワインと付き合っている方であっても、近年の持続可能な農業とワインづくりの動向には気がついているかもしれません。
ワインに限らず、環境に配慮したお酒づくりは世界的に進められていますが、ワインは数ある酒類の中でもとりわけそれら取り組みと相性が良い存在と考えることができるでしょう。
その理由はさまざまですが、まず農法です。日本酒や焼酎、ウイスキー、ビールほかリキュールなどでも、“オーガニック”といった文字を見かけますが、ワインほどこの文字が利用されているものはありません。
ワインづくりは農業と言われるように、ブドウの品質が最重要視されています。
とくに健康面、安全面に気を遣う方々が増えている昨今、オーガニック、ナチュラル、ナチュール、〇〇無添加の文字はワインにとって最強のマーケティング用語となっているレベルです。
うがった見方ですが、まずワインは、“環境に配慮している”といったアプローチが強烈なアピールポイントになると理解しておきましょう。
二酸化炭素削減への取り組み
ワインにおける環境への配慮というと、誰もが農法に目を向けます。
どれだけ自然な状態でブドウが栽培されているか、人的介入がどれだけ少なくピュアであるかはたしかに重要な要素です。
また、持続可能性といった側面からも、数百年先もこの土地をブドウ畑として守りたいといった思いから、土壌を復活させるような動きも世界中で見られます。
一方、中堅から大手のワイナリーのような資金力がある企業では、それにプラスして二酸化炭素の排出量を削減しようといた取り組みも目立つようになっています。
例えば、軽量ボトル、輸送、キャップ、ワイナリーなど設備の見直しといったワインの品質ではない部分での環境への配慮が進んでいるようです。
中でも、有名シャンパーニュメゾンであるテルモンはガラスボトルを排除する動きを見せていることでも知られており、梱包から輸送など削れるものは全て削るサステナブルなシャンパーニュとして注目を集めました。
このように、農法や味わいといった部分ではなくところですでにワイン業界は環境への配慮をスタートさせているのです。
ひっくり返るのか?
これら環境への配慮については耳障り良いこともあり、どれだけ環境に貢献しているか合戦が大手で繰り広げられていることも事実でしょう。
しかし、問題はこれら取り組みが何らかのきっかけでひっくり返るのか、そしてそれによって業界がどう動くのかです。
中には、その二酸化炭素を削減するための活動によって二酸化炭素が排出されている、結局コスト増で小規模ワイナリーはタッチできない、そもそも意味がないことなのかもしれないといった動きが出てくると問題でしょう。
ナチュールブームも過渡期を迎えている中、健全なワインづくりのために化学肥料なども必要だといった考え方の生産者もいます。
環境への配慮がマーケティング目的であっては本末転倒です。
環境とワイン、これら関係は今度どのように変化していくのか注視していきましょう。